可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─
「ああするしかないのかしら?」
「ベアトリスは加護様を使って、彼らを貼り付けにできるようになった方が良いよ」
「私は話を聞く王妃でありたいわ」
「ぷるん!」
ベアトリスの肩の上では薄青色に戻ったぷるんがぴょんと跳び上がった。
初代魔王様の力の一部であるぷるんは一度力を消費してしまうと再生がきかなかった。
だが、ジンが再度力を吹きこむと以前のような薄青い色に戻ったのだ。これでジンはぷるんをある程度支配下におけるとニコニコしていた。
ぷるんはドクロカップルを貼り付けにできると言っているようだ。
ベアトリスはクスッと笑って、ジンが腰に回す手に手を添えた。
「魔国民のお世話も王妃の仕事ですからね」
「頼んだよ。いい天気だから、あそこに行こう」
「私も今そう思っておりましたの」
ベアトリスとジンは仲睦まじく寄り添いながら、魔王城の外へと共に出かけた。