可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─
「もちろんええで!先生とのお昼寝はうちも大好きや!」
「それは良かった」
子どもの顔したサイラスはエリアーナのもふもふで柔らかい耳を撫でて、にこりと害のないふりをして笑った。
隣で眠るエリアーナを想像するだけで、涎が垂れそうだ。
エリアーナの隣に座り直したサイラスは、赤いジュースで汚れた彼女の口元をじっくり眺めた。
血の化粧は魔族の男を魅力する。口を汚したままうさ耳がぴょこぴょこ揺れるのが堪らなく愛しい。
「じゃあ、エリアーナの得意分野を使って、生贄姫を泣かしてみようか」