可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─

「よろしいのですか?」

「うちとアンタの仲やんか?」


どんな仲があったというのか。


エリアーナが何か嫌がらせを用意している思惑が漏れ漏れだ。


これで立派な魔族なのだから「狡猾な魔族」という人間国での認識が崩れていく。


(魔族は意外と頭が良くないのかしら)


だがベアトリスには他に情報もないので、ジンに会えるきっかけは逃せない。


「そうですわね。エリアーナ様と私の仲ですものね。信用いたしますわ」

「せやんなぁ!ほな行こか!」


初代魔王の加護があれば痛いことはない。なので、とりあえずエリアーナの罠に乗ってみることにした。


このうさ耳ナイスバディちゃんが、近ごろ幼児のように見えてきたベアトリスである。


「ニャ?」


狩りを終えて湖に戻ったアイニャは、ベアトリスの不在に首を傾げた。


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