可愛くて、ごめんあそばせ?─離婚予定の生贄姫は冷酷魔王様から溺愛を勝ち取ってしまいましたわ!─

「義姉と仲良くはなかったのだな」

「そうですね。血が繋がってませんので幼い頃から煙たがられていました」

「なぜ人間は血の繋がりを重視するんだい?くだらないと私は思うが」



魔族では異種交配が基本だ。異形は次から次へと生まれ、誰がどの種族の誰の子かなんてすぐ忘れてしまう。


そうして超個人主義は栄えてきたのだ。血の繋がりなんて吹けば飛ぶほどに軽い。



「魔王様に同意いたしますわ。血の繋がりなんて形式的なものです」



ベアトリスは金髪の波髪を優しく揺らし、にこりと笑う。


「私を愛してくれたおじい様と、私に血の繋がりはありませんでしたわ」

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