不埒な上司と一夜で恋は生まれません
「じゃあ、羽積じゃなくて、監視されてるお前の方がヤバい奴か」
と問われ、

「そうかもしれないですね」
と和香は笑った。

「まあともかく、羽積に気があるという話は否定しておけ。

 ……俺以外の奴と噂になるな」

 自分で言っておいて照れたのか。
 耀は、じゃあ、と言うと、せかせか廊下の角を曲がっていってしまった。

 和香はそれを見送り、ちょっと微笑む。





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