不埒な上司と一夜で恋は生まれません
 

 困ったなあ。

 なんだか今、すっと答えられなかったぞ。

 お前に好きな人はいないのかと問われて、いないです、と言えなかったことに、和香は衝撃を受けていた。

 この人、私の王子様だからかな。

 もしかして、私、この人のことをちょっぴり好きになっているのだろうか、と姉や美那たちに、

「王子様だと思った時点で、好きなのよっ」
と叫ばれそうなことを和香は思っていた。



< 189 / 438 >

この作品をシェア

pagetop