不埒な上司と一夜で恋は生まれません
なんかよく寝た……。
目を覚ました石崎和香は見慣れぬ真っ白な天井を見つめた。
病院の天井……?
違うな。
ただの白い天井じゃなくて、よく見ると、なんかアラビアンな感じの紋様がうっすら入っている、小洒落た天井だ。
和香はふと顔の向きを変えてみた。
横に誰かが寝ている気配がしたからだ。
鼻筋の通った男の横顔があった。
そういえば、仄かないい香りもしている。
神々しいくらいのイケメンだが、女子社員にも容赦ないと噂の――
いや、噂のというか、実際、他の課の和香にまで容赦ない神森耀が横で寝ていた。