不埒な上司と一夜で恋は生まれません
 


 家に戻ると、二人で朝食の支度。

 その楽しい食事の席で、和香は眉をひそめた。

 小鉢に緑色の、どろっとしたものが入っていたからだ。

「めかぶですか~」

「めかぶ嫌いか?
 もずくもあるぞ」

「……健康的なものばかりですね」
と和香は眉をひそめる。

「どっちも食べられないのか?」

「あんまり、進んでは食べませんけど。

 料亭とか。
 ホテルの朝食で出たら食べますね~」

「じゃあ、ここをホテルだと思え」
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