不埒な上司と一夜で恋は生まれません
「お父様は?」

 あっ、また、突っ込んで訊くのかっ、という顔を耀がする。

「父は一時期、浮浪者になってたみたいなんですけど」
と言うと、耀が痛ましげにこちらを見た。

「刑事さんに聞き込みされたのをキッカケに、警察の情報提供者とかやってるみたいで」

「……さすがお前の親だな」

 なんだかんだで、何処にでも馴染んでて、楽しそうだ……と耀は呟いていた。



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