不埒な上司と一夜で恋は生まれません
「なに?
 じゃあ、No.6か?」
と羽積はアメリカ人の夫と式に参列している姉を見る。

「いえ、富美加さんが」
と言うと、羽積は驚いた顔をした。

「羽積さんが何処に移動されても、富美加さん、突き止めてくるんですよね~。

 富美加さん、実は羽積さんも知らない公安の仲間なのでは?」
と小声で和香は言ったが。

「いや……あの人、そういえば、昔、婦人警官だったらしいが。
 普通に交通違反を取り締まってただけみたいだぞ」

 横で耀が、
「あのアパート、公安に婦人警官に謎の組織の奴に。
 泥棒でも入ってたら、一発で始末されてたな……」
と呟いていた。
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