どんな恋でも繋いでみせます!

言えない。互いの母親同士が仲良い紗良には言えない。


恋のキューピットを始めた本当の理由が、両親の離婚が原因で幸せに飢えてしまったから、幸せを感じたくてやってるだなんて、言えるわけがない。

言ってしまえば、紗良ママをとおしてお母さんに届いてしまい、また要らぬ迷惑を掛けてしまうはずだ。


私はまた引き出しから、入っていたメモを取り出し読み返す。


【話がある】


それは一体なんの話なんだろう。


紗良の言うとおり、いずれ痛い目に合うのなら、とことん痛くして欲しい。


たとえば、私が密かに恋心を抱いている千崎くんが、今日の放課後私に恋のキューピットを頼んできたり、とか。


そんな告白もしていない遠回しの失恋で、私の片思いが誰にも知られずに玉砕したら、私の心はバキバキに割れてしまうだろう。

もし、そんなことを頼まれたら、私は千崎くんの恋を応援できるのだろうか。


もしもの話で私の頭の中は、応援できる、できない、の花占いを今日1日ずっと減らない花びらで悶々とやっていた。

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