どんな恋でも繋いでみせます!
「最初は独り占めできてよかったけど、やっぱ1人って寂しいじゃん?誰かにこの場所を教えたかったんだよ」



ああ、なるほど。

要するにちょうどいいタイミングで私が千崎くんの前に現れたんだ。



「それで私に恋のキューピット頼むついでにこの場所を教えたってことか……じゃあ、私はラッキーだったってことだね」

「ちげぇよ、ついででもラッキーマンでもない。
俺は自分で、填本を選んだんだよ」



選んだ、と確かに千崎くんは言った。

全く揺るがない、どこまでも真っ直ぐな目を、逸らすなんてできなかった。



「填本は、いつも友達と騒いで毎日楽しそうに笑ってて、だけど1人になった時は静かに存在感消すんだよ。
きっと、一日の中で自分の心を休ませる時間を大事にしてるんだと思った。俺もそうだから。
だから、この静かな場所を填本なら大事に使ってくれる気がしたんだ」



私は千崎くんにとって眼中にも入らない"ただのクラスメイト"だと思っていた。

人気者な千崎くんが、平凡代表みたいな私と仲良くしてくれるなんてそんな出来レースは、恋することを予めわかっている少女漫画の世界だけだと思っていた。

ずっとそうだと思っていたかった。

だってこんなの、もっと好きになっちゃうじゃん。

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