どんな恋でも繋いでみせます!
────そして、放課後がやってくる。
全授業を終え、クラスメイトは各々教室から出ていく。私は教室から完全に生徒が消えた頃にやっとイスから立ち上がる。
教室を出て、長い廊下を歩き、階段を素通りし、さらに奥へと進んだ校舎の端に位置するところに旧図書室はあった。
【図書室】と立てられたプレートは、若干埃かぶっている。
どうやら新しい図書室が1階の空き教室へと移動してから、この旧図書室は読まれなくなった古本置き場と化しているようだ。雑に言えば、物置部屋だ。
私が高校入学してから旧図書室は既に"旧"という名が付けられていて、この教室の存在は知っていたが扉を開けて足を踏み入れたことはない。
はたして、鍵は開いているのだろうか。
妙にドキドキしながら、ゆっくりと手を伸ばしドアノブに手をかける。
ドアノブを捻ると、思いのほかつっかえずに回り、引けば扉は楽に開かれた。
使われなくなった教室の扉は建つけが悪くなったり、錆びた音がしたり、そんな予想をしていたが案外普通に開いた。もしかすると、頻繁に人が出入りしているのかもしれない。