どんな恋でも繋いでみせます!

「え、もしかしてお前らそういう関係?そこと、ここで、くっついてんの?」



好奇の目を向けたクラスメイトが、やはり予想していたとおりの質問を投げてくる。

その瞬間、クラス内が一瞬で静かになる。

人気者の千崎くん、綺麗な紗良、ムードメーカーの倫太郎くん、ごく平凡な私。

4人の関係性は友達なのか、それとも恋人同士なのか、的を射抜くような興味津々の強い目が向く。


そこと、ここ。

紗良と倫太郎くん、千崎くんと……私。


大いなる勘違いだ、否定しなきゃ。

結んだ口を解き、開いた瞬間に午後の授業が始まるチャイムが校舎内を響かせた。

チャイムと同時に教室の扉が勢いよく開き、5限の担当教師が「早く席につけ!」と大きな声を出しながら登場する。


否定する時間も、答える時間も、答えを待つ時間も十分に与えられずに、この話は一旦保留として幕を閉じた。

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