どんな恋でも繋いでみせます!
「やっぱ暑いよな……」
放課後、エアコンが壊れている旧図書室で、千崎くんは扇風機に顔を向け、暑さで項垂れている。
昼休憩の時はまだ元気だったけど、今は生気が失われたような顔をしていた。
そんな千崎くんに声をかける。
「あのね、千崎くん」
「ん?」
「昼休憩の時、もし紗良と2人っきりで食べたかったら言ってね。それっぽいこと言って倫太郎くん連れていつでも消えるからさ」
あくまで私は橋渡し役で、千崎くんの下心をまだ隠すためのカモフラージュのような存在で、千崎くんがお望みならいつでも消えないといけない立ち位置だ。
それに、これ以上近くにいたら、いざ消えないといけない場面で動けないような気がした。
だから、前もって伝えたのだ。そんな私を、千崎くんはじっと見つめたまま肩をゆっくりと落とした。