どんな恋でも繋いでみせます!
「填本にこの前言われたことずっと考えてる」
「……この前?」
古い扇風機が、ブォーと歯車の悪い音を立てながら羽根が動いていて、千崎くんのこぼした声をかき消そうとする。
なんとか拾い上げ、耳を澄ました。
「柏木に対するこの気持ちが、好きなのかどうか」
「……あ、それね」
あっけらかんとした口調を意識して頷いてみせた。
あの日、疎い千崎くんでもわかるようにわざわざ単刀直入に伝えてあげたのに、それでもなぜかまだピンと来ていないようだった。
そんなに悩むことではないのに、頑固たる確証が欲しいのか答えを追い求めている。
「填本は、好きな奴とかいる?」
不意に投げられた質問に、しゃっくりのような声が洩れそうになって慌てて息を止めた。
今、私の目の前にいる千崎くんが、その質問の答えであるのに……言えない。
いないよ、って言えばいいのに、それすらも言えない。
「……この前?」
古い扇風機が、ブォーと歯車の悪い音を立てながら羽根が動いていて、千崎くんのこぼした声をかき消そうとする。
なんとか拾い上げ、耳を澄ました。
「柏木に対するこの気持ちが、好きなのかどうか」
「……あ、それね」
あっけらかんとした口調を意識して頷いてみせた。
あの日、疎い千崎くんでもわかるようにわざわざ単刀直入に伝えてあげたのに、それでもなぜかまだピンと来ていないようだった。
そんなに悩むことではないのに、頑固たる確証が欲しいのか答えを追い求めている。
「填本は、好きな奴とかいる?」
不意に投げられた質問に、しゃっくりのような声が洩れそうになって慌てて息を止めた。
今、私の目の前にいる千崎くんが、その質問の答えであるのに……言えない。
いないよ、って言えばいいのに、それすらも言えない。