どんな恋でも繋いでみせます!
初めての旧図書室に恐る恐る足を踏み入れる。
図書室特有の本の匂いと、ほんの少しホコリっぽい匂いが鼻をかすめる。
室内はやはり静かだった。
辺りを見渡すと、色褪せた棚の中にタイトルもジャンルもバラバラの状態で雑に本が入れられていた。
人の気配は……しない。
でも、教室にはもう誰もいなかった。
この目で、千崎くんが教室を出て行ったことも確認済みだ。
旧図書室にいないということは、やっぱりからかわれたのだろうか。
本棚で区切られた通路をクルクルと回りながら、まんまと騙され来てしまった自分に恥ずかしくなった。
仕方ない……。
初めて来た旧図書室を暫く観察してから帰るとするか。