どんな恋でも繋いでみせます!
千崎くんの真面目な顔に、一瞬もしかしたらという期待が、朝ぶりにまた頭を過ぎる。
───告白されるのではないか、と。
「填本に、お願いがあるんだ」
この前置きで、告白ではないのだと、早い段階で打ち砕かれる。
じゃあ、お願い、とは?
千崎くんのお願いを叶えられるほど、私は神様でも仏様でもないけど……。
「───填本に、俺の恋のキューピットになって欲しいんだ」
千崎くんでも"恋のキューピット"なんて単語を使うんだ。
……なんてことを考えながら、もしかすると告白かも?みたいな淡い期待を抱いたことに、赤面するほど恥ずかしさが込み上げる。
凡人が突然人気者の視界に入り告白されるだなんて、そんな羨ましい出来レースは少女漫画の世界だけなのだと、身を持って勉強になる。
そっか、そうだよね……。
こんなに人気者でなんでも持ってる完璧男子でも、私たちと同じ人間だもん、そりゃあ恋もするよね。
だけど、まさか千崎くんが私に恋のキューピットを頼んでくるなんて、驚きすぎて声も出ない。