どんな恋でも繋いでみせます!
「あのさ、私この近くのお店に用があるから、千崎くん紗良のこと送ってあげてくれない?」
「え?一緒に行くよ?」
「いいよ、もう遅いから早く帰らないと、過保護な親が心配するでしょ?」
「それなら私1人で帰れるし」
「ダメだよ、千崎くんお願い。送ってあげて」
「……わかった」
千崎くんは私の意図を読み取ってくれたのか頷きで返してくれた。
「じゃあ、リンリンは俺が送ってくよ」
「え?悪いからいいよ!」
「いいのいいの、俺暇だから」
この近くの店に用事があるなんて嘘なのに、これではどこか適当な店に寄らなければいけない。
でもやっぱり倫太郎くんの優しさを無下にするのは心苦しくて、私は「ありがとう」と口に出していた。