どんな恋でも繋いでみせます!
───『ギャンブラーはいずれ痛い目見るんだからね』
朝に紗良が言っていたことが、まさかこんな早くにその言葉どおりになるなんて。
心にぽっかりと穴が空いたような喪失感に似た感情に襲われ、軽く握っていた手が力をなくし、ただぶら下がっているだけの状態になる。
何かを言わないと、と頭を働かせようとするがすぐに真っ白になる。
どうやら神様は、千崎くんに三物四物与えても、私には一物も与えないようだ。
神様なんていない、と言う人は、多分こんな風に不平等さに打ちのめされたから言うんだろうなぁ。
そして、千崎くんは自分がどれだけ持っているのかを理解していない。
だから、平凡な私の気持ちなんてこれぽっちも気づかないんだ。
「こんなこと急に頼むのは失礼だってわかってるけど、填本に恋のキューピット頼んだら恋が実るってクラスの女子が騒いでたから……ごめん、無理だったら断って全然いいから」
填本凛、気持ちを切り替えろ。
私が密かに片思いしていた千崎くんに好きな人がいただけだ。
気持ちを伝える気もなかったのだから、別にいいじゃないか。
好きな人の恋が実って、千崎くんの幸せな笑顔を見れたら、それこそ心は幸せで満たされるはずだし、それを近くで見れるのだから本望だろう。
ほら言え。頷け。笑え、私。