どんな恋でも繋いでみせます!

「……わ、私に出来る範囲であれば」



思った以上に弱々しい声が出た。



「マジ!?えっ、本当にいいのか!?」

「う、うんっ……」

「填本!マジでありがとう!!」



断られると思っていたのだろう。
さっきまでの不安そうな顔が嘘のように弾けて、満面の笑みを作る。


ああ、言ってしまった。もう後には引けない。


これでもかなり好きだった。
いや、すごく好きだった。



「と、ところでさ、相手は誰?」



好き、をかき消すように、気になった質問を投げた。

相手を把握するのは恋のキューピットをやってる身としては重要だ。
これを聞いておかないと、成功率も大きく変わってくるから。


やっぱり私の気持ちに気づかない千崎くんは、満面の笑みを作ったまま口を開く。


動く唇が、なぜかスローモーションのように遅く見えた。

そうやって自分でスローモーションにしないと、うまく脳内で処理できないと思ったのだろう。

だけど、咄嗟の脳の判断は結果的にはゆっくりと脳内に染み込んでいっただけで、なんの効果もなかった。

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