どんな恋でも繋いでみせます!
「俺は、ずっと」



また、ポツリ、と雨が地面を濡らす音のように、間を空けながら言葉を紡ぐ。



「友達だ、って思ってるよ」

「っ……」



その言葉を貰った瞬間、強ばらせていた顔が一気に崩れて、咄嗟に手で口を覆った。

固く閉じた唇が震えて、堪えていた涙が内側から込み上げるように溢れてくる。

あっという間に目元も頬も濡らしていく。

泣いていることがバレないように、必死で嗚咽を堪える。


好き。千崎くんが好き。
ずっと好きだったし、すごく好きだった。



「急にごめんね、最初から話しておけばよかったねっ」



ここで過ごした千崎くんとの時間は、高校生活で絶対1番の淡い思い出だ。



「告白頑張ってね。応援してる。陰ながら上手くいくこと願ってるからね」

「……うん、ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう。
じゃあ、また明日学校でね、またね」



ドアノブから手を静かに離すと、私は逃げるように旧図書室を後にした。
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