どんな恋でも繋いでみせます!
「柏木なんだ」
「……え、」
「填本と仲良い柏木なんだ」
鈍器で殴られたように、ガツンときた。
これは、かなり痛すぎる。
今までにないくらい痛い。心が。
まさか、千崎くんの好きな人の相手が、幼馴染の紗良だなんて、そこまではさすがに予想できないよ。
「俺と柏木の仲を、填本に取り持って欲しいんだ」
こんな最悪な失恋の仕方があるだろうか。
ただ私も人並みに幸せを感じたかった。
それだけで、始めた恋のキューピットがまさか自分の首を絞めるなんて……。
幸せは、待っているだけじゃ降ってこない。
なら、待っていないのに降ってくる不幸せには、どう対処したらいいのだろうか。
「填本、本当にありがとう」
この何も知らない千崎くんの無邪気な笑顔が、さらに私の心を抉るのだ。
未だ失恋のバツは付けていない、優秀な恋のキューピットである私は、この恋も必ず実らせないといけない。
告白もせずに失恋し、傷心した私にできるだろうか。
千崎くん、キミの恋を純粋に応援できるのだろうか。