どんな恋でも繋いでみせます!
ジトーっと、怪しむ目が私を捉えて離さない。
こうなった紗良は、言ってくれるまでずっとその質問ばかりを繰り返してくることを知っている。
案外ねちっこくて、しつこいのだ。
「……本当に、今も持ってるから。
あげようと思ったけど、やめたの」
私は諦めて正直に言う。
「誰にあげようとしたの?」
「……当時、元気なかった人に」
「はっ、相変わらずお人好しなんだから。頑張ったのは凛なんだから自分で使いなよ?」
「うん、そうする」
私は去年のクラスマッチを思い出しながら、紗良の言葉に頷いた。
やっと紗良から解放され、次々と名前が増えていく黒板を見る。
バスケのところには、さっき聞き耳を立て会話を盗み耳したとおり、ちゃんと千崎くんの名前があった。
ずっと好きだったこの気持ちは、いつになったら消えてくれるんだろうか。
好きになった期間分忘れることはできないのだろうか。
そうだとしたら、計算すると卒業までずっと千崎くんを引きずったまま残りの高校生活を送ることになる。
気が滅入りそうだ。
それぞれのクラスマッチの種目も決まり、着々と授業が進み、あっという間に午前の授業が終わる。
これほどまでに昼休憩が来るのを拒んだことはなかった。
時間を操れたらいいのにと非現実的なことを願う自分がいたことに、厨二病か、と心の中で突っ込んだ。