どんな恋でも繋いでみせます!
「凛、行こっか」



既に弁当を手にした紗良はルンルンな顔で私の目の前に立つ。

そりゃあ、ルンルンにもなる。

紗良は千崎くんのことを気になりだしているのだから、4人で過ごす昼休憩も最初の頃よりも今が断然に楽しいと思っているはず。

私の気分は最悪だけど……。



「何してんの、ほら早く行くよ」

「あ、うん」



重い腰をなんとか浮かせて立ち上がると、カバンから弁当を取り出す。

それと同時に、バタバタという足音が近づいてきて、私と紗良の肩をガシッと強く掴んだ。

なんだかデジャブだ、と感じながら恐る恐る振り返ると、朝と同様にこやかに笑う世莉が立っていた。

紗良が包み隠そうとしない膨大なため息を吐いた。


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