どんな恋でも繋いでみせます!
笑ってしまうほど単純に、ただただ純粋に千崎くんに恋をした。

あの日から、千崎くんを密かに目で追って、楽しそうな笑顔を見るだけで、幸せを感じてた。

私の、小さな小さな幸せだ。


でも、それは終わった。


プカプカと空中を散歩しているシャンバン玉が、突然弾けて跡形もなく消えてしまうみたいな出来事が起きたんだ。

そんなの、逃げたくもなる。逃げるくらいさせて欲しい。



「……凛」

「ごめん、ごめんね、ちょっと教室戻るね」

「凛っ」

「ごめん、1人にさせて。ちょっと休ませて」



目も合わせずに拒絶すると、紗良の手を振り払い体育館から逃げるように立ち去る。

廊下を歩きながら、また胃もたれしたみたいな気持ち悪さを感じた。

腹の底からくるキリキリとした痛みが、今は胸の痛みを紛らわせてくれてちょうど良かった。
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