どんな恋でも繋いでみせます！
───『試合開始します』


時間になり、アナウンスが入ると、試合開始のブザーが体育館内を響かせた。

その瞬間、審判の手によって打ち上げられるボール。

それを自分の陣地へ弾き入れようとする長い手が伸び、ボールはまず最初に私たちのチームの元にくる。



「凛！」



徐々に広がる歓声、仲間の掛け声、ボールの音、シューズと床が擦れる音など、一斉に体育館内を賑やかにする。

すぐにボールは私の手の中に収まり、床に落とすとターンと音が鳴る。

最初はみんな様子を伺うので、私も歩きながらドリブルをし、みんなの位置を把握していく。

その瞬間、相手チームの1人が勢いよく私に向かって走ってくる。

すかさず自分も走り出し、手を伸ばしボールを奪おうとする相手チームを交わしながらドリブルで突破して、ネットに向かってボールを投げ入れた。

リングにぶつかりながらもボールはネットに吸い込まれて、まずは1点先取する。

< 212 / 328 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop