どんな恋でも繋いでみせます!

目を見張り驚いている私たちをよそに、彼は「あーあ、冷てぇな」と洩らしている。



「……千崎、くん」



水を噴射させた子が、青ざめた顔でそう口にした。



───千崎くん。



恐らく、私たちの間に高い壁を築いてくれている彼の名前だろう。

入学したばかりでまだ他クラスの名前なんて把握できてはいないが、彼は紗良と同様、いやそれ以上に目立っていたから名前だけは憶えている。

千崎瑠衣くん。
確か隣のクラスの男子生徒だ。


そんな有名人の彼がなぜ私の盾に……?



「なぁ、これはさすがにズルいだろ」

「え、」



彼は優しく諭すような口調で、彼女たち4人に向けて言葉を投げる。

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