どんな恋でも繋いでみせます!
「安心しなよ」

「……え?」

「千崎くんは陰で悪口言ってるあなたたちのことは絶対に選ばないから」

「は?」



彼女たちの小馬鹿にするような笑みが消えて、怒りを含んだ顔でしかめっ面を向けてくる。

そんな彼女たちに一歩また一歩と近寄り、こんな時に体調を崩している自分に対しての苛立ちも乗せて怒りをぶつける。



「あと!紗良も千崎くんも、顔だけじゃないから!顔だけしか見てないあんたたちにはわからないだろうけど!」



熱に侵され、さっきからずっと視界が定まらない。

霞んだり、線が二重になったり、グラグラと揺れる視界の中でだと、彼女たちに睨まれていても少しも怖くなかった。

熱と胃痛のせいで、今まで押し込んでいた感情にストップかかからず、今ならなんでも言ってしまいそうになる。

それと同時に、足にも力が抜けていき、その場にへたれこむ。

誰かがかき混ぜているのかと思うくらい、グワングワンと視界が揺れている。

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