どんな恋でも繋いでみせます!
彼女たちの「え?」「は?」という戸惑いを隠せない声が頭上から聞こえてくる。

言い切ってもっとかっこよく立ち去りたかったのに、なんでこんなところで限界がくるんだよ……。

こんな時にもかっこ悪い自分に笑いすら出てきてしまう。



「リンリン!」



その時、微かに倫太郎くんの声が聞こえた。

なんとか顔を上げるが、倫太郎くんのようなシルエットしか確認できなかった。

多分、半分も目は開いていなかったと思う。



「待って、今保健の先生呼んでくるから!」



そう聞こえて、とりあえず頷いた。

バタバタという焦った足音が遠のいていく、かと思えばまた足音が近づいてくる。


もうダメだ、と倒れそうになった時、誰かに受け止められる。

多分倫太郎くんだ。



「────」



倫太郎くんが何か言っているけど、耳に水が入ったみたいにずっと雑音が聞こえていて、倫太郎くんの声が聞き取れない。

もう限界だ。そう確信した瞬間、倫太郎くんに身体を預けて意識が飛んだ。




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