どんな恋でも繋いでみせます!

暫くして目を開けると、誰かの体温を直で感じた。

暖かくて心地よい、すぐに眠りに誘うような温もりをくっつけた頬から感じる。

これは、背中だ。

多分、今誰かが私を背負って歩いてくれている。

一定のリズムを刻んだ振動が歩く度に伝わってくる。



「……倫太郎くん?」



まだ朦朧とする意識の中で、倫太郎くんの名前を呼んだ。

倒れた時、確かに倫太郎くんの声が聞こえてきたから、多分この背中は倫太郎くんのものだ。



「ごめんね、重いよね……ありがとう」



申し訳ないし降りたいのは山々だけど、降りたとしても歩けそうにないので黙って身体を預ける。



「……うん」



かなりの間を空けて、頷きが返ってくる。


< 232 / 328 >

この作品をシェア

pagetop