どんな恋でも繋いでみせます!
その強い思いが凶と出て、クラスマッチ当日に体調を崩してしまう。

解熱剤を飲んで、なんとか踏ん張りながらコートの端から端まで走り回り続け、シュートを決め続けた。

さすが!と褒められる度に、身体が少しずつ重くなっていくのを感じた。


決勝戦手前で、プツン、と糸が切れたように歩けなくなった。

少し休もうと誰も来そうにない階段下に隠れて密かに休んでいたが、徐々に意識が朦朧としていくのがわかる。

ここで力尽きるわけにはいかない、あと一試合だけ……。

這いつくばってでも体育館へ向かおうとした時、



「千崎くん、大丈夫?」



女子に声をかけられた。

驚いて顔を上げるが、揺れる視界の中で顔の識別がつかない。



「待ってて、今!すぐに!先生呼んでくるから」



咄嗟にその女子の腕を掴んだ。

思ったよりも細い腕で、力強く握ったら折れてしまいそうで、すぐに力を緩める。


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