どんな恋でも繋いでみせます!
「いい、言わなくていい。次決勝だから」

「でもっ……!」

「期待されてるからっ……俺が出ないと、みんな困る、と思うから」



優勝だー!と叫んでいたクラスメイトを思い出したら、今ここで終わらせるわけにはいかなかった。

解熱剤を飲めば、なんとか試合に出れるはずだ。



「それはダメ!」



だけど、強く否定された。

は?、と思わずにはいられなかった。

イイとかダメとかそんなのは俺が決めることなのに、その女子は細い手で力強く肩を掴んでくる。



「このクラスマッチはクラス一丸となって優勝を目指すために順位付けして、優勝賞品まであるんだよ!千崎くんが1人だけ頑張ったって意味ないから!千崎くんがいなくても、千崎くんの分まで頑張るクラスメイトがいてこそ優勝できるの!そんな1人で気負わなくてもいいの!」



早口で捲し立てられた。



「そんなに優勝賞品が欲しいなら、私が優勝して千崎くんにあげるから!だからお願い、もう休んで」


< 240 / 328 >

この作品をシェア

pagetop