どんな恋でも繋いでみせます!
自分の感情に未だこれといった名前を見つけられずにいる中、なぜか填本にも視線がいった。

填本は常に笑っていて、クラスメイトの女子、男子、他クラスの友達、近くにいれば自然と填本の笑い声が聞こえてくるくらい明るい印象しかなかった。

柏木とはまた違う魅力があって、妙に目を惹き付けられたんだと思う。

だから、ふと目に入ったのかもしれない。自分の席に座って1人惚けている填本を。

存在感を消して、自分だけの世界に閉じこもっている。

機嫌が悪いわけでも、体調が悪いわけでもない。
ただ、一息ついているような感じがした。

だから、填本に気づいて誰かが話しかけたら、いつも通り笑って対応していた。


俺は、純粋に興味がわいた。
柏木と同じくらい、気になっていたのかもしれない。


そんな時、クラスメイトが興奮した様子で話している会話を耳にする。



「凛はちょーすごいの!凛に恋のキューピットお願いしたら片思いが実るんだよ!」



信じられないような話に、俺は思わず笑ってしまう。

その笑い声が聞こえてしまったのか、グループを作った女子たちから勢いよく視線が向けられる。


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