どんな恋でも繋いでみせます!
その日から、俺たちは前の関係に戻った。

いや、填本に避けられてしまっている現状、もっと関係は悪くなってしまった。

どうやったら填本と話せるか、どうやったら前みたいに戻れるか考えたけど、そもそも前みたいに戻れると勝手に思い込んでいることが間違いだった。


填本と話せないまま、クラスマッチ当日になった。


コートの中心でクラスメイトと仲良さげに話して笑っている填本の姿を、2階の観客席から遠く見つめる。

あの笑顔は、もう俺には向けられないのか。

そう思うと、胸が締めつけられた。

できる事なら、また最初からやり直したい、と願ってしまう。



だけど、願うだけでは叶わないのが事実。

それでも刻一刻と時間は過ぎ、去年のクラスマッチみたいな二の舞にはならず、体調も万全で順調に勝ち進めていた。

試合が暫く空くので昼休憩に入ることになり、俺は倫太郎と教室に戻ろうと廊下を歩いていると、前方で填本の後ろ姿が見えた。

填本と、クラスメイトの女子と、他クラスの男子の3人で、何やら楽しそうに話しているのが目に入る。


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