どんな恋でも繋いでみせます!
「あっ、せりっぺの彼氏だ」



倫太郎が首に巻いていたタオルを振り回しながらそう言う。

確か、填本が恋のキューピットとして2人の恋を結んだといつかの時に教えてもらったことを思い出す。



「お前だけじゃねぇよ」

「……は?」



倫太郎が突然訳の分からないことを口にする。



「リンリンが特別扱いしてるのは、お前だけじゃねぇってこと」

「……どういう意味だよ」

「頼んだんだろ?リンリンに恋のキューピット」



倫太郎はため息混じりに、確かにそう口にした。

誰にも、もちろん倫太郎にも言っていなかったのに、倫太郎は全てを知っているかのような口振りで突きつけてきた。

驚きで声も出ない。


< 254 / 328 >

この作品をシェア

pagetop