どんな恋でも繋いでみせます!
「お前が悪いのは、リンリンに迷惑かけたんじゃない」

「……他に、何があるんだって言うんだよ」

「鈍いからだろ!」



……は?



「お前が鈍くて疎くてヘタレだからだろ!
自分の気持ちばっかで、リンリンのこと知ろうとしないからだろ!」



倫太郎の言葉が鋭く突き刺さった。

確かに、俺は1度も填本の気持ちを聞いたことがなかった。1度でもいいから聞いてみればよかったんだ。

填本は、俺のことどう思ってるのか。

聞かずに、迷惑だと思っていると勝手に解釈して、填本と向き合うことに逃げてた。

填本はずっと誠実に紳士に俺と向き合ってくれたのに、ずっと俺の味方でいてくれたのに。



「手離したくないなら、行け」

「倫太郎……」

「早く伝えて来いよ!
"俺たち"がどれだけ、2人のこと心配してたか後でウザいくらいにネチネチ言ってやるから!」



倫太郎に背中を押され、填本が走って消えていった廊下を同じように走る。

今から女子は試合だ。

そのあとに話をしよう。填本と。


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