どんな恋でも繋いでみせます!
そこで、一旦意識が戻ったのか填本が「倫太郎くん?」と背中に向かって聞いてくる。

どうやら倫太郎と勘違いしているようだ。


填本はずっと俺のことを避けていたから、今自分だと否定したら降りると言いかねない。

そう思い、倫太郎としてやり過ごすことにした。



「……男子、次は準決勝だったよね?まだ時間大丈夫なの?」

「うん」



こんな時にも人の心配か。

本当に優しすぎる。



「ほんと、最悪……今年こそ、千崎くんに優勝して欲しかったのに」



……え、俺?



「まだ、何もしてあげれてないのに……」



散々してもらったのに、俺のわがままをずっと聞いてくれたのに、まだ何もしてないと思っているのか?


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