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最終章 幸せ
曖昧じゃない
アルコールの匂いが鼻腔を掠め、少し軽くなった瞼を押し上げて目を開ける。
最初に目が入ったのは真っ白な天井だった。
保健室だとすぐにわかる。
額には冷えピタが貼られていて、ベットでちゃんと眠ったおかげか身体も少し楽になっていた。
起き上がり、今何時だろうと時計を探す。
壁にかけられた時計の針が15時を指していた。
さっきの試合が終わったのは13時で、もう2時間も眠ってしまっていたことになる。
次の試合は準々決勝だった。
最悪だ、眠っている間に試合が終わってしまった。
今はどうなったのだろう、負けてしまった?
私は急いで掛け布団を剥ぎ、床に足をつけ上履きを履く。
「───もしかして、起きたか?」
せっかく履いたのにその声に動揺してまた足から上履きが脱げてしまう。
ベットを囲むように閉ざされたカーテン越しから、確かに千崎くんの声が聞こえたからだ。