どんな恋でも繋いでみせます!
「去年のクラスマッチ、俺に声をかけたのは填本?」

「……え?」

「試合に戻ろうとして引き止めてくれたのは、填本なのか?」



去年のクラスマッチ、私は確かに千崎くんに声をかけた。

ずっと2階席で千崎くんを見てて、明らかに様子が変なことに私は早い段階で気づいた。

フラフラな足取りで体育館を出て行くのが見えて、あとをつけてみたら千崎くんが階段下で隠れるように倒れていたから咄嗟に声をかけたんだ。

でも、なんで今更それを……?



「……そうだけど、それがどうしたの?」



不審に思いながらも答えると、カーテン越しの千崎くんは黙りこくり、私の質問にはなぜか答えようとはしない。


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