どんな恋でも繋いでみせます!
詳しい理由は知らないけど、最初に千崎くんが紗良のことを話した時の内容は一言一句思い出せる。
人の視線とか期待に疲れてた時にかけてもらった言葉に励まされ、そして、なにより嬉しかったのだと。
「去年のクラスマッチなんだ」
去年のクラスマッチ……、頭の中で反芻する。
「熱があるのに、クラスメイトの期待に応えないとって思って試合に出たんだ。正直結構キツくて、案の定優勝目前にした決勝前で限界で身体が動かなくなった。
そんな俺を心配して声を掛けてくれた女子がいたんだ」
俯いてた顔が自然と上がる。
私も声をかけたけど、他にも千崎くんに声をかけた人がいたってこと?それが、紗良?
いやでも、紗良は、確か……。
「そんなに気負わなくていいって、そんなに購買券欲しいなら自分が優勝して俺にあげるからって、必死に懇願されたのを憶えてる」
聞いた事のある台詞だった。
というか、なんか……。