どんな恋でも繋いでみせます!
「ごめん、填本。
最初から俺が填本の声を憶えておけばよかったんだ。
一番最初に、填本にクラスマッチのこと話しておけば、もっと早くに気づけてたのに」



旧図書室の扉で隔たれた、あの時の私たちを思い出す。

恋のキューピットをやめたいと言ったあの日の光景に、今の光景は似ていた。


だけど、交わす言葉が違う。

私たちは今、本当の自分と向き合っている。



「填本」



千崎くんがカーテンを掴む。



「開けていい?」



もう一度、聞かれる。

さっきよりも更に酷い顔だ。
顔は涙でぐしゃぐしゃで、髪も乱れていて、汗くさいはずだ。


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