どんな恋でも繋いでみせます!

倫太郎くん。
彼は、千崎くんといつも一緒にいる親友なのだ。


私のクラスが笑いの絶えないクラスでいられるのは、8割くらいは倫太郎くんの存在が大きい。

どんな人にも分け隔てなく接し、人見知りとか人に気を遣うとか、そんな言葉とは無縁な世界で彼は生きている。良く言えば社交的で、悪く言えば図々しい。


倫太郎くんは入学初日から私に話しかけてくれて、なんならクラス全員に話しかけていて、


───『下の名前、リン?俺も倫太郎でリン付くんだ!一緒だね!よろしく、リンリン!』


倫太郎くんに親しみのある人懐っこい笑顔を向けられれば、それに釣られ相手もまんまと笑顔になってしまう。倫太郎くんの笑顔はそんな不思議な力があった。

気づけば差し出された手を握っていて、リンリンというあだ名も一緒に受け入れていた。



「なんでそんな死んでんの?」

「気にしないで。自分で蒔いた種が地雷として成長して、その地雷を誤って踏んで、爆発して、致命傷負っただけだから」

「え、なんの話?」

「大丈夫。私の問題だから」

「ふーん、よくわかんないけど、元気だしてよ!リンリンは笑ってる方が可愛いよ!」

「ありがとう。倫太郎くんの屈託のない笑顔は傷ついた心に沁みるなぁ……お味噌汁みたいだ」

「嬉しいような、バカにされているような……複雑な気分になった。でも、なんかありがとう!」



お味噌汁みたいな笑顔と言われたのに、どこをどういう思考回路で通れば「ありがとう」なんてお礼が出てくるんだろう。不思議だ。

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