どんな恋でも繋いでみせます!
倫太郎くんよりも千崎くんのほうが上手なんでしょ?
倫太郎くんがいても勝てないんじゃないの?

そんな私の不安を読み取ったのか、千崎くんは声を出して笑う。



「大丈夫。倫太郎が優勝して来てやるよって言ったから、アイツ本気出すよ」

「いつも本気じゃなかったの?」

「アイツ常にヘラヘラしてるけど、本気出したら俺よりすげぇから」



そう言うと、また抱き締められて、千崎くんの腕の中に収まる。



「クラスマッチよりも、填本のほうが大事だったから」



なんてことをまた耳元で言われてしまい、大人しく腕の中に顔を埋める。



「なぁ、填本」

「ん?」

「1年の時から好きだったって言ったけど、1年のどの辺りから好きだった?」

「……言わない」



千崎くんを引き剥がし、距離を取って逃げようとするが、手を握られているせいで十分な距離を取れない。


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