どんな恋でも繋いでみせます!
「えっ填本?」



ベットを囲むカーテンから出ると、ピシャッとカーテンを閉めて千崎くんを閉じ込める。



「ごめん、怒った?」



……怒っては、ない。
ないけど、振り子時計くらいの波打つ心拍数で、心臓が口から出そうだった。

出るわけないとわかっているけども。



「……ごめん、嬉しくて、思わず」

「千崎くんは、手繋ぐのとか、ハグするのとか……キ、キスするのとか、序の口なんだろうけど、私は慣れてないんだよ!心臓止まったらどうすんの!バカ!」



心の底からの今の思いをぶつけると、カーテンの向こう側で千崎くんが笑っている。



「なに笑ってるの!?」



若干腹立って勢いよくカーテンを開けると、すかさず手が伸び、手首を掴まれて引き寄せられる。

千崎くんの胸に顔がぶつかりそうになって、なんとか足の指先に力を込めてギリギリで止まる。
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