どんな恋でも繋いでみせます!
「填本」
「急に引っ張らない……───」
「付き合って」
千崎くんの澄んだ声が鼓膜を包み込む。
「俺の、彼女になって」
「……今、言う?」
「まだ言ってなかったから」
「キ、キス、したあとに?」
「キスしたあとだけど」
順序はおかしいけど、千崎くんの瞳に私だけが映っていることが嬉しくて、順序なんてどうでもよくなる。
「幸せにするから」
千崎くんが真っ直ぐに伝えてくる。
高校生が言う台詞にしては重いけど、私にはその言葉が何より嬉しかった。
ずっと満たされなかった幸福中枢が満たされて溢れそうになるくらい。
私は、千崎くんに向かって手を伸ばし、1つしかない答えを告げる。
「うんっ、よろしくお願いします」
「はははっ、握手?」
千崎くんは懐かしむように笑いながら、私が差し出した手を握り、私たちはあの時みたいに握手を交わす。
───『じゃあ、この日を機に、俺と填本の、恋のお楽しみ会を設立しよう!改めてよろしく!』
あの時握った手よりもずっと、大きくて温かかった。