どんな恋でも繋いでみせます!
そのあと、クラスマッチの次の日が土日だったおかげで2日で体調は回復し、やっと元の元気な身体が戻って来る。
「お母さん、弁当ここに置いてるから」
「あれ、もう出るの?」
「うん、行ってきまーす!」
身軽になった身体を早く動かしたくて、いつもよりも早く家を出る。
門扉に手をかけた瞬間、家の塀にもたれるように立っていた紗良と目が合う。
「び……っくりした」
そんなところでまさか紗良が待っているとは思わず、肩が思いっきり跳ねる。
門扉を開け外に出ると、紗良も重心を足に戻し真っ直ぐに立つ。
「おはよう、凛」
「お、おはよう……え?ずっと待ってたの?」
「うん」
「チャイム鳴らせばよかったのに」
「もうすぐ来るかなって思ったから」
いつもみたいに「さすが幼なじみ」とは言えなかった。
全てを伝える覚悟はできていたが、こんな唐突はさすがに心の準備が間に合わない。
そんな私を見透かしたように、紗良が早々に歩き始める。