どんな恋でも繋いでみせます!
紗良はどデカいため息をこぼし、溜め込んでいた鬱憤を吐き出すように地面にカバンを叩きつける。



「ほら!見なさいよ!あんたらがどんどん拗れる理由がただの勘違いって聞いて、腹を立てたせいで物に八つ当たりしちゃったじゃない!!」



八つ当たりをしてしまった原因を私に擦り付けてくるが、何を言っているのかピンと来ず顔が引き攣る。

その表情にまた、「その顔!え?どいうこと?みたいなその顔!」と指をさされ指摘される。



「私がいつ千崎を好きだって言った?私がいつ応援して欲しいってお願いした?私がいつ、恋のキューピット頼んだのよ……」



……確かに、紗良の言うとおりだった。

紗良は、千崎くんを好きだとは1度も言ってない。

私が勝手にそう思って、決めつけてただけだ。



「じゃあ、最近千崎くんを見てたのは、私の気のせい?」

「……気のせい、ではない」

「え?」



紗良は叩きつけたカバンを拾い上げると、何事も無かったかのようにまた先を歩き始める。

そのあとを慌てたようについていく。


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