どんな恋でも繋いでみせます!
私が冴えない女子だということはわかっているし、千崎くんには不釣り合いだということもわかっている。

身の程弁えろよ、と言われたら、そうだよね、って返すと思う。

でも、今悪意ある言葉を聞いても、不思議と酷く落ち込む自分がいないのだ。

既に、傷ついて沢山泣いて落ち込んだからだろうか。


そんな事を考えていると、千崎くんが突然私の腕を掴む。



「行こう」



千崎くんの耳にも届いてしまったのか、私の手を取り少し早歩きで校舎を出る。

好奇の目を向ける生徒たちをフル無視して、真っ直ぐ一直線に歩みを進める。



「今日の数Aめっちゃ課題出されたよな、終わるかな」



いつもよりも少し大きめな声量で、他愛のない話を振ってくる。

私の耳に悪意ある言葉が届かないように。

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