どんな恋でも繋いでみせます!
「千崎くんは終わるでしょ、私のほうが終わらないよ」



千崎くんは優しい。

優しく握る手も、私に合わせる歩幅も、向ける笑顔も、柔らかい口調も、全部優しい。



「ねぇ、千崎くん」



校門を出て、徐々に生徒がまばらになってきた場所で、私は足を止め千崎くんを呼ぶ。



「私は、大丈夫だよ」

「え?」

「陰口叩かれても、指さされても、私は大丈夫」

「大丈夫なわけないだろ、大丈夫な奴なんているかよ」

「でも本当に大丈夫なんだもん」



千崎くんが朝からずっと心配していることも、私が傷つかないように悪意を遠ざけようとしてくれていることも、全部わかっている。

それでも、不思議と本当に大丈夫なんだ。


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